<8月6日追記>
ホテル側の対策が進み現在はこの方法は使えなくなったとの情報を頂きました。
ホテルに安く泊まる方法としてはベストレート保証(Best Rate Guarantee)が有名ですが、最近国内では各ホテルのガードが固くなってなかなかBRG申請をしても通らなくなってしまいました。
そこでBRG申請以外でホテルに少しでも安く泊まる方法を紹介します。
マリオットボンヴォイのBRGについては以下の記事をどうぞ
【マリオットボンヴォイのBRG】
マリオットボンヴォイ系列ホテルなら公式ホテルの予約価格よりも安い価格のサードパーティーTravel Agencyのオファーを見つけられたら安い価格から25%引きにするか5,000マリオットポイントを貰えるのでBRGオタクは楽しみの一つとして取り組んでいます。BRGに興味ある方は以下の記事をお読みください。
やり方はとっても簡単「リリース&キャッチ」
ホテルの予約価格は日によって変動します。ハイシーズンは高く、ローシーズンは低く。そして季節だけでなく休日の前後やオリンピックや学会などのイベントがある場合などでもホテルの予約価格は変動します。
ホテルによって少しづつ戦略(レベニューマネジメント)が違ったりしますが、概ね需要の高い日も需要の低い日も最初は少し高めに設定しておき、宿泊日が近くに従い調整していきます。宿泊日前に空室率が高ければ徐々に切り下げて宿泊客の確保をしていく為、この「リリース&キャッチ」はとても有効です。
リリース&キャッチの手順
① ホテル利用の予定が決まったら先ずは宿泊するホテルを決めます。
今回はマリオット系列のホテルに限定して説明します。どのホテル(ヒルトンやIHGとか)でも多分OKと思いますが私自身がマリオット系列ホテルフリークなので。今回はシェラトン都ホテル東京を例示に使用しますがどこにも通用する手法です。
② すぐ売切れる一番安いスタンダードQueenを予約
公式ホームページ(https://www.marriott.co.jp/default.mi)から一番安い部屋(シェラトン都ホテル東京の場合はスタンダードクイーン)をキャンセル可能なプランで予約しましょう。
シェラトン都ホテル東京の場合、事前購入条件でも会員料金であれば宿泊日到着1日前までキャンセル可能なので便利です。
③ 混んでない日であれば当日が近くになるにつれ値下がりすることがある為随時確認
例えば一番安いスタンダードクイーンの部屋が売り切れてしまうと、スタンダードクイーンの部屋の値段がわからなくなってしまうことがありますが、その場合はスタンダードクイーンの次に安いプランの価格が値下がりしているかを随時確認しましょう。
なので、予約した日の一つ上のプランの価格を写メしておくといいですね。
④ 観察していると価格は変化していく
一番安いスタンダードクイーンのプランは既に公式ページにない場合でも予約した時のスーペリアキングの価格を見ていると下がって来ているかどうかがわかります。以下の写真だと2,500円ほど値下がりしています。実は既に場(公式ページ)に存在していませんがスタンダードクイーンのプランも同じ割合で値下がりしているんです。
④ 観察を続けると遂に売れ残ったスーペリアKingの価格が・・・
予約した日は人気のない日だったのか遂に16,660円まで下がっています。その時点でスタンダードクイーンは売り切れていてこの価格が一番安い価格です。
⑤ こういう場合に威力を発揮するのが「リリース&キャッチ」
こういう状況になった時には、自分の持っているスタンダードクイーンの予約を一度リリースします。そうすると場になかったスタンダードクイーンが一室だけ表示されるわけです。
以下の写真はリリースした瞬間。こんな安い価格が長期間表示されていたらあっと言う間に他の方に予約されてしまうので、間髪入れずにキャッチ(予約)し直さないといけません。
⑥ 「リリース&キャッチ」まとめ
ホテル宿泊が決まったら早い段階でキャンセル可能な一番安いプランを予約しておけば、一番安いプランが売り切れになっても全体の価格が下がってきたら「リリース&キャッチ」技を使って予約価格を安くしましょう。
今回は3回も「リリース&キャッチ」技を使い、一泊11,662円(+税サ)まで価格を引き下げできました。この値段ならば通常であればスタンダードクイーンは絶対に売り切れてしまいますので「リリース&キャッチ」技は大変有効ですね。
ついでにベストレート保証の利用や「リリース&キャッチ」技の他にお得に泊まる方法を紹介します。私はマリオット系列ホテルを予約する場合は必ずポイントサイトを通してお得に予約をしていますよ。
【お得なマリオットホテルの予約方法】
少しでも安くマリオットホテルに宿泊する為にハピタスを経由の予約が大変お得です。ハピタスを経由して予約するだけで、1.5〜4.8%のポイント還元が得られます。
ホテルの価格が変動する理由(レベニューマネジメントについて)
ホテルの客室価格がどうして(どのような傾向で)変動するのかを理解するためには、ホテルが通常採用しているレベニューマネジメント(Revenue Management)を理解するとわかります。
もともとレべニューマネジメントとは航空会社の収益を最大化(最適化)するために発展したビジネス戦略で、後にホテル事業、レンタカー事業、レストラン事業などにも導入された収益管理手法です。そのレベニューマネジメントが現在ではホテル経営にはなくてなならない管理手法となっています。
この章は過去記事の「マリオットのベストレート保証(Look No Further、BRG)の取り方!ホテルの裏事情から分かる裏技伝授」からの再掲となります。
ホテル事業におけるレべニューマネジメントを理解せよ。
レベニューマネジメントを理解するためには、先ず、ホテル経営のジレンマを理解する必要があります。どの業界にも経営のジレンマはありますがホテル経営には主に以下のようなジレンマが存在します。
繰り越せない在庫のジレンマ
ホテル業はサービスを販売するサービス業ですが、客室単位で販売するサービスは翌日に繰り越すことはできない商品となる。今日の在庫は明日以降は永遠に売ることができない。
販売するサービスの個数に上限があるジレンマ
ホテル業は収益最大化を図る際に超えられない客室数という限界がある。どんなに旺盛な需要があっても保有する客室数以上の個数を販売することは不可能である。
大きな固定費と小さな変動費によるジレンマ
建設コストなどの初期投資は莫大になるが、空室在庫1単位を追加販売するときの変動費はとても小さい(清掃コストやラウンジ利用コストは室料のほんの一部として十分償却出来てしまいとても小さい)。
固定費が大きいということは簡単にはコストダウンがしにくいということ。
事前予約と顧客選択のジレンマ
ホテルは予約を事前に受け付けることが可能で希望する客層を選択誘導することができるが、収益最大化のためには客層を広げて対応する必要がある。しかし、収益最大化を優先させると本来ホテルを支えてくれている客層離れを心配しなくてはならない。
需要が変動することのジレンマ
需要は季節などにより変動する。需要変動は適切なマーケティングと分析手法により高い精度で予測が可能。しかし予測ができたからといって低需要期に希望する顧客層で客室を埋められるわけではない。
これらのジレンマの中で収益を最大化するために、需要のピークと需要の谷を「変動する料金体系」で対応していきます。
コストに見合う料金構造を維持しながらも、料金体系を取っ替え引っ替え行ってターゲット顧客層を変動させて空室率を極小化し収益を極大化させるのです。
ただし、長期的な収益の安定のためにCS(カスタマーサティスファクション)を維持することにも配慮し、また、多様な料金体系を持つことから発生するリスクである「高額料金顧客の低額料金顧客化」を防止するための対策(宿泊プランの差別化など)も行わなければいけません。
これらすべてを上手く進めていく管理手法がレベニューマネジメントなのです。
ホテルのアップグレードは安売りのためにしていると心得よ。
ホテル業のジレンマを読んで頂いた方の中には、「はは〜ん、だから客室のアップグレードがあったり、クラブラウンジがあったりするのか〜。」と、以下の説明をしなくても察して頂ける方も多いかと思います。
客室稼働率を上げる手っ取り早い手法は(販売単価を一時的に下げて客の確保ができるとすると)安売りです。しかし大概は料金の高い部屋に空室が目立つものです。
既に予約頂いている客のCS(カスタマーサティスファクション)を維持しながら安売りをするために、既に予約頂いている客へは客室のアップグレードを行い、本当は満室だったはずの一番安い部屋に空きを作ってオンラインエージェントに売り出します。
10日〜3日前くらいに徐々に(小出しに)行うのが普通かな。「残り1室」とかが不思議と続くアレですね)。
クラブラウンジのサービスもCSの為にあるし、クラブラウンジ目当てで最安値で泊まってもらっても小さな変動コストで管理もしやすいので、最安値古事記もホテル経営者から見ればありがたい存在なのである。
ただレベニューマネジメントを分かってないホテル従業員には煙たがられる可能性はある。
ホテル予約とキャンセルの特性を把握せよ。
ホテルの予約やキャンセルがどのようなタイミングで行われるかを把握する為に、ホテルの分類とそれぞれの特性を極々簡単に説明します。
ホテルを分類する場合、ビジネスホテル、シティホテル、リゾートホテルと3種類に分類されることが多いです。これら3種類は明確に違いがあるわけではなく特徴においては重なり合っている部分もあるが、それぞれのホテルの種類ごとに戦略が少しづつ違うのである。ちなみにシェラトン都ホテル東京はシティホテルの分類となります。
ビジネスホテルのイメージ
都市部にある。フロントは小規模で宿泊に特化している。
部屋はシングルが中心で建物の中は部屋数を取るため狭いつくりとなっている。
レストランがある場合もシティホテルよりも格段に小規模。
安さを追求したビジネスホテルがある一方で、温泉付きのビジネスホテル、ハイグレードなビジネスホテルも人気。ビジネスホテルは和製英語。英語はバジェットホテル(Budget Hotel)。
シティホテルのイメージ
都市部にある。エントランスからフロントも広くて車止めがある。
部屋は複数名での宿泊が前提となっておりツインやダブルの設定が多く、部屋のグレードが複数設定されている。
高級なレストランやバー、ラウンジがある。宿泊利用以外に、宴会場や結婚式場などがある。スポーツジムやプールなどの設備がある。コンシェルジュがいる。
リゾートホテルのイメージ
リゾートホテルは立地がリゾート地にあるホテル。
海、山、湖畔などの眺望が優れた場所、観光地に立地するホテル。
宴会場や結婚式場よりはレストランやスパなどの施設が充実している傾向が多い。
それでは本題です。ホテルはいつ予約されているのか。
出張や観光など旅のスタイルによって予約時期が異なります。何ヶ月も前から出張が決まっているケースは多くはないでしょうし、前日に家族との観光旅行を決めるなんてこともほとんどないと思います。ですから出張は1ヶ月〜1週間前、観光旅行は数ヶ月〜1ヶ月前くらいにホテルを予約することになるのが普通になります。
ホテルはいつ予約されているのか? マーケティング事業を行うクリテオが取りまとめた「2017年度トラベルトレンドレポート」によると、、、
通常シーズン
36% 0~9日前に予約する
27% 10日~30日前に予約する
37% 1ヶ月以上前に予約する
行楽シーズン(ゴールデンウィークや夏休みといった繁忙期)
30% 0~9日前に予約する
25% 10日~30日前に予約する
40% 1ヶ月以上前に予約する
年末年始
22% 0~9日前に予約する
23% 10日~30日前に予約する
55% 1ヶ月以上前に予約する
近年は海外旅行客が増えてきていることから、1ヶ月以上前に予約する割合が増加傾向にある。
ホテル経営において早い段階から予約が埋まるメリットは大きいので海外旅行客はホテル経営者にとって大変ありがたい存在なのである。
では、キャンセルが出るタイミングはいつ頃が多いのか。
タイミングとしては10日前から3日前、前日の午後3時までのあたりが非常に多い。
そして、キャンセルが出やすいタイミングは、オンラインエージェントへの安値売り出しのタイミングと一致します。
例えばシティホテルが安売りを行うのは、客室稼働率を上げる為に狙いをビジネス顧客層に下げて取り込みを狙ったり、高くて宿泊予約を他のホテルにしていた客を呼び戻したりする為ですね。
私も20年ほど前に札幌から東京に出張の際はこの3日前くらいに安値が出る法則を利用して、1万円程度でグランドプリンスホテル新高輪などの高級ホテルのキングベッドによく泊まったりしていました。
最近はじゃらんnetなども直前割引に注目して特集とかをやってたりしてます。
高級ホテルの値下げ販売は続くのである。
部屋のアップグレードもベストレート保証もホテル業のジレンマを解消する手段の一つです。また、ホテル経営安定のためにゲリラ的安売りをせざるを得ないわけです。
しかし安値を自社ウェブサイトに載せるわけにもいかない。最も儲けの出る自社ウェブサイトからの予約への誘導を安定的に行いたい。安売りして稼働率を上げることも大切であるが上顧客からのCSを維持することも大切です。
ジレンマがある限りホテルの値下げ販売はなくならないのである。
今回例に挙げたシェラトン都ホテル東京はマリオットの系列ホテルですが、その事業主体は近畿日本鉄道の系列になります。マリオットのホテルノウハウやブランドは利用しているが経営の責任はマリオット・インターナショナルが負うものではなく、最終的にホテルが負うのです。
ホテルは複数のオンラインエージェントに対して空室を売り出しているが、売り出しを受けた各オンラインエージェントは他社の売り出し価格を専用のシステムでサイト巡回し監視している。他社のオンラインエージェントが安値を持っている場合にはホテルに対して同料金を要求するためである。この仕組みをレートパリティって言います。(価格がどこも同じであると顧客の安心感を醸成できて予約が入りやすくなるのだそうだ)
建前上は全部のサイトが同じ料金となりますが、オンラインエージェントの都合で自分のマージンを切って売りたい時などレートパリティの網をかいくぐり他社よりもお得な料金を提供したりしています。
ホテリアとかはトリバゴとかの検索サイトのクッキーが無いと一番安い値段が出なかったり、検索サイト用の価格と最安価格を変えるためにログインするととても安い価格が出てきたりと色々苦労しながら対応しています。
ホテルの抱えるジレンマによりホテル側もちょっと販売したい程度の時にコミッションの安いオンラインエージェントや販売力のあるエージェントに限定的にお願いしたりします。
シェラトン都ホテル東京の宿泊、とても良かったですよ。
シェラトン都ホテル東京は結構好きでかなり利用させてもらっています。白金にある素晴らしいシティーホテルで大変落ち着きます。
皆さんもぜひぜひ泊まってみてください。
今までに泊まった際の記事貼っておきます。
今回は一番安いスタンダードクイーンの部屋を予約しましたが、私はマリオットボンヴォイリワードのエリート会員なので、チェックインの際には部屋をアップグレードしてもらえました!
デラックスキングの高フロアにアップグレード、お風呂も洗い場があってとっても使いやすいです。改装後のシェラトン都ホテル東京はいいですよ。
シェラトン都ホテル東京にはエリート会員専用のクラブラウンジがあります。プラチナエリート会員以上は無料でこのラウンジを利用できて18:00からのパッピータイムではお酒飲み放題になっちゃいます。
まとめ
今回はマリオット ボンヴォイの系列ホテルに少しでも安く泊まる方法として「リリース&キャッチ」を紹介しました。
また何かお得な情報がありましたら記事にしたいと思います。
マリオット系列ホテルにお得に泊まるには先ずはSPGアメックスを持つといいと言われていますのでSPGアメックスの紹介記事も貼っておきます。
マリオットボンヴォイを楽しむためのSPGアメックスを申し込む方法で一番お得な方法はSPGアメックスホルダーからの紹介ですね。申し込みを考えておられる方は利用してください。
【マリオットゴールド会員に一気になる魔法:SPGアメックス】
SPGアメックスの紹介をご希望の方はご利用ください。
ここから申し込むことで入会ボーナスポイントが最大39,000ポイント獲得可能です(通常より6,000ポイント多く獲得可能)。